花色えんぴつ

30代、独女

おすすめな旅

やっぱり、露天付きの旅館にひとりで泊まること。

もちろん2食付き。夜にまでひとりでぶらぶらなんて、冒険はそこまでしない。とにかく贅沢する。

しかもひとりで。これに限る。


30歳になる直前、記念にとそんな旅行に行った。

車で2時間半。寂れた温泉地だったけど、旅館はきちんとしたところで、とても満足した。部屋付きの露天風呂に10回くらい入った。一泊で。

翌日は観光列車で終点まで乗った。特に何もなかったけど、ひとりだけの時間を独り占めできることの贅沢さを、この時思う存分味わった。

まだ独身だから、また行きたいって言えるのは、幸せなことなのかも。

おすすめな旅

やっぱり、露天付きの旅館にひとりで泊まること。

もちろん2食付き。夜にまでひとりでぶらぶらなんて、冒険はそこまでしない。とにかく贅沢する。

しかもひとりで。これに限る。


30歳になる直前、記念にとそんな旅行に行った。

車で2時間半。寂れた温泉地だったけど、旅館はきちんとしたところで、とても満足した。部屋付きの露天風呂に10回くらい入った。一泊で。

翌日は観光列車で終点まで乗った。特に何もなかったけど、ひとりだけの時間を独り占めできることの贅沢さを、この時思う存分味わった。

まだ独身だから、また行きたいって言えるのは、幸せなことなのかも。

スーパーヒーロー

中村医師は純粋に、アフガニスタンの中でも困っている東部地域や人々のために、尽力されてきただけだった。怖くて行政なども介入できないほどの地域だった。ただの砂漠を森にした。すごいことだ、それに尽きる。


誰もしないから自分がやる、という想いだったのだと思う。自身への寄付は一切受け取らず、日本での病院勤務や講演会で暮らしていたと聞いた。


今回、アフガニスタンの根深さを改めて思い知らされた。平和な日本にいる私たちにも言いたいことあったんじゃないかなって思った。


そしてただただ悔しくて悲しいです。


犯人は憎いけども、アフガニスタンのみなさんにはこれからも平和を目指して頑張ってほしい。

そして私たちも、つまらないことばかりしてないで、精一杯生きたいと思った。


本当にお疲れ様でした。どうか安らかに。

中村医師任せにしていた私たちも、ごめんなさい。

あなたの人生は、神さまのような人でした。

空の写真

今週のお題「空の写真」


空の写真を撮る習慣がある女は、

病んでるだの

メンヘラだの

不思議ちゃんだの


ひどい言われようである。


雲ひとつない空のその瞬間を

切り取りたくなる衝動は、誰にでもあるはずだ。ただその本能に従っただけ、自己満足の世界なら外野がうるさいのは尚更のことだ。


一度、夏の夕暮れにふと

洗面所から空を見上げたことがあった。

紫と赤の混ざり合う、あまりにも珍しい夕焼けに、祖母を誘って外へ出た。

その色はどんどん変わり、ものの10分程度で青紫へ変わっていた。

祖母と私は、二車線道路の真ん中で、感動して見上げていた。


もう一度、という同じ瞬間はない。

だが、この広い世界に私たちと同じようにあの夕焼けに感動した人はいると思う。


すべてに、

全てに疲れて、笑う気力もないときがある。

社会人は大変だ。

仕事というものは厄介。逃げられない。


5年くらい前、今日みたいな状況で

雨の中、買い物から帰るため駐車場を歩いていた。傘は持ってたんだけど、どうせ帰るから、とさす気力がなくて車に置いていた。

そしたら、傘を差しかけてくれた女性がいた。濡れるから、と

確か断ったが、それでも最後まで差しかけてくれた。

ほんの数分のことだったが、嬉しかった。あの時はあんな風に優しくしてもらうことがなかったから。


多分、その女性は大変な経験をした人なんだと思う。だから若いわたしにも、呆れずに優しくしてくれたんだと思います。


あと、短大の時に話しかけてくれたおばあちゃん。もう10年以上前のこと。

県外からひとり、進学して寮に入ってました。2年間だったので、深い人間関係も作れず、寮に帰宅していた途中。

何か褒められたんだと思う。それが嬉しかった。それから、よく挨拶させてもらうようになった。

80歳くらいのおばあちゃん。元気かな。


こういう日に、こんな気持ちにさせてもらえるのは、その女性たちのおかげです。

心から感謝しています。

今週のお題「家で飲む」


半年前までは、ひとりでバーでカクテルを飲むのが週に一度の至福のひとときであった。

何年かそういう生活を続け、あらゆるお酒とカクテルを楽しんだと思う。


だが、半年前に知人の不幸があり、いっそのこと

この楽しみもやめてしまおう、と決めた。当時、大切な知人と同じくらい、バーのカクテルが好きだったからだと思う。

それから全く、そのショットバーどころか別のバーにも行かない。


今住んでいる部屋は4階建ての4階の部屋である。賃貸にしては少しベランダが広い。

このベランダで、万能台に腰掛け

足を伸ばして、夕焼けを仰ぎながら、缶チューハイや赤ワインを飲むのが、今の私の至福のひとときだ。

風に当たりながら、街の喧騒を見下ろして、遠くの夕焼けを見つめながら少しだけ。

普通の賃貸マンションの一室で、こんなに贅沢な気持ちになれるのは、私にとっては大きな幸せである。


なぜ、彼は自ら命を、

そう思いながら、亡くなってしまった知人を夕焼けに思い出す。

ショットバーのカクテルが懐かしいが、戻りたいとは思わないのは、失ったものを大切にしている

そんな気持ちの裏返しである。


彼の死は、これからも私の

永遠の七不思議だ。

心の癒えぬ傷跡も、ベランダの赤ワインで綺麗に彩られるようだった。

アイドル

今週のお題「アイドルをつづる」


アイドルっていうと、心惹かれるもの、と

解釈しています。


心惹かれるのは紛うことなき愛犬である。

2月で9歳を迎えたメスのミックス犬。

保健所で処分待ち、譲渡待ちをしていたところを

双子の片割れと一緒に保護団体に保護された。白くて生後2ヶ月だから拾われたんだと思う。


いろんなことがあった。

小さい頃は胃腸が弱く、よくもどして気を揉んだ。脱走はしないけど、寂しがりやで夜になると家の中に入れろと吠える。2歳になる頃にはほぼ家犬となった。


4歳の頃、近くの浜で走らせたら釣り人が捨てていったフグを食べた。それこそもう終わりだと覚悟したがなかなか元気で、遅かったが獣医さんへ連れていった。軽く中毒を起こしていて、ステロイド剤を打って事なきを得た。

体が大きかったのが幸いだった。

それから自由に走らせることはやめた。


妹の結婚式でかかりつけの動物病院に泊めさせたときは、三日三晩鳴いていたといい、もう来るなと言われた。病院には申し訳なく、愛犬にも悪いことをしたと反省した。

それから家族旅行は私が留守番をするようになった。


たまに手作りでご飯を作る。

愛犬は自分のだと分かるみたいで、心待ちにしている。ささみとじゃがいもを湯がいて、細かく割いてあげる。

鰹節を混ぜるとなお喜ぶ。


散歩のあとは犬用チーズが日課である。

これは、畑に捨てられていたさつまいもを咥えて持って帰ったところ、交換にとチーズをあげてから覚えたようだ。

それからチーズをもらうまで動かない。

大好物なのだ。


なわぬけしていなくなった時は、青くなって探したが、何のことはなく、自分の犬小屋で寝ていた。

外に出ようという考えはまるでない。先代の犬はオス犬で、いつも脱走する機会をうかがっていたのだが、性別が異なるからかえらい違いである。


一昨年、左後ろ足に腫瘍ができた。

2件目のかかりつけの病院に診てもらって、手術ということになったのだが、先生が無口な人でそれに怖がり、当日になりキャンセルとなった。

諦めきれず、遠く車で30分の動物病院に連れて行き、この先生がベテランの非常に優秀で人間的にも信頼できる先生で、犬も落ち着いたため、この病院でお願いした。

結果、良性であり綺麗に切除でき、いい治療を受けられた。こちらの病院には、終生お世話になるつもりである。


私は毎週末、実家に帰る生活を6年続けている。時間でいうと2時間片道かかる距離。

年齢的にしんどくなってきたのが正直なところだが、愛犬の様子を見に帰ることが私の生きがいである。

犬なんかもらわなければ良かった、など微塵も思ったことはない。

家族旅行でひとり留守番となっても、なんとも思わない。

人が見たら、大変だね、と思われると思う。しかし、私自身はそんなことは考えたこともなく、愛犬には感謝している。


あとどれほどの時間を共に元気にいてくれるか、それは神のみぞ知るところだが、後悔のないように、これからもしっかり育てていきたいと思う。


彼女は、かけがえのない、我が家のアイドルである。