花色えんぴつ

30代、独女

空の写真

今週のお題「空の写真」


空の写真を撮る習慣がある女は、

病んでるだの

メンヘラだの

不思議ちゃんだの


ひどい言われようである。


雲ひとつない空のその瞬間を

切り取りたくなる衝動は、誰にでもあるはずだ。ただその本能に従っただけ、自己満足の世界なら外野がうるさいのは尚更のことだ。


一度、夏の夕暮れにふと

洗面所から空を見上げたことがあった。

紫と赤の混ざり合う、あまりにも珍しい夕焼けに、祖母を誘って外へ出た。

その色はどんどん変わり、ものの10分程度で青紫へ変わっていた。

祖母と私は、二車線道路の真ん中で、感動して見上げていた。


もう一度、という同じ瞬間はない。

だが、この広い世界に私たちと同じようにあの夕焼けに感動した人はいると思う。