震災
5年ほど前に、NHKのハートネットで被災された高齢ご夫婦の取材記を拝見した。
なんとなく見ていた。高齢になってから運悪く被災してしまい、介護の現状を伝えるという内容なのだろうと思っていたのだが
あまりにも過酷すぎる現実をまざまざと見せつけられて声を上げて泣いた。
なんでこんなに歳をとってから更に酷い事が起こるだろうと思った。
それでも、挫けそうな奥さんをご主人が強く優しく懸命に声をかけて、新しく家も建てようとして、
というところで終わった。
そして、続編が一年後あったのだが
新居が出来上がったタイミングで、奥さんは亡くなっていた。
ご主人は、新居があれば奥さんが気を持ち直してくれるから、と前のドキュメンタリーで言っていたのに
奥さんは震災で亡くなった息子さんを追うように亡くなってしまっていた。
ご主人は
がんばるよりしょうがない、と口にしていた。
あんなに過酷な状況で、どんなことも乗り越えてきた大先輩でさえ、これはどうにもならないと思ってしまう天災だったのだと思う。
だけど生きていくには、悲しむ自分も諦めて前に進もう、という
強くて悲しいほど逞しい姿勢が、とても切なかった。
あのおじいさん、お元気なのでしょうか、
今でもよく思います。
東北の震災で亡くなられた方々に、これからもご冥福をお祈りいたします。